「帯状疱疹」カテゴリーアーカイブ

新患さん、いらっしゃ~い

最近は、ペインクリニックという言葉が浸透してきたせいか、予約の電話が次々にかかってきます。痛いからこそ、いろいろ捜してうちに電話をしてこられるの だと思いますが、私を始めクリニックとしてのキャパシティにも限界があるので、昨年の5月から、初診は1日3人までと制限をしてきました。

とは言っても、すぐに処置をする必要がある病気や痛みは無理してもすぐに受け入れるようにしています。
新鮮な帯状疱疹、新鮮な顔面神経麻痺、ぎっくり腰などです。

今日は午後だけの診療で、初診の予約はあらかじめ2名入っていましたが、発症から2週間以内の新鮮な帯状疱疹の方が3名来院されました。

帯状疱疹は、神経ブロックをできるだけ早く始めることで、その後の後遺症の程度が変わってきます。

帯状疱疹後の神経痛という後遺症ができあがってしまってから、どうしても痛みがとれないからといって他の病院から紹介されて来る患者さんが 多いのですが、インターネットの普及のおかげで、まだ帯状疱疹が発症して時間がたたないうちに、患者さん自らペインクリニックを捜して受診されるケースも少しずつ増えていま す。

それにしても、1日に3人も帯状疱疹の患者さんが見えたのは、記録かもしれません。帯状疱疹に好発時期はないとなっていますが、やはり春先は帯状疱疹になる方が多いように思います。

帯状疱疹

帯状疱疹は3週間から1ヶ月もするとほとんどが自然に治るのですが、非常に痛みの強いことと、「帯状疱疹後の神経痛」という後遺症を残すことが問題です。

痛みは、消炎鎮痛薬(ロキソニンやボルタレンなど)がかなり有効ですが、神経ブロックはさらに有効です。
また、帯状疱疹に神経ブロックをする意味は帯状疱疹後の神経痛を予防するためです。疱疹ができたらなるべく早く(できれば2週間以内に)神経ブロックをしておくと帯状疱疹後の神経痛になりにくいと言われています。

帯状疱疹後の神経痛に移行するかどうかは、いろいろな要素が関係しています。
1. 疱疹のできた部分の皮膚感覚の低下の度合い
2. 疱疹の重傷度(疱疹がびっしりできたか、数個しかできなかったかなど)
3. 年齢(高齢になるほど神経痛が残りやすい)
4. 基礎疾患があるか(糖尿病・癌・ステロイド服用中
5. 帯状疱疹のできた部位

帯状疱疹後の神経痛がなぜ問題かというと、普通の痛み止め(消炎鎮痛薬)が効かないことと、一旦なってしまうとなかなか治療することが難しいということです。

すべての人が神経痛を残すわけではありませんが、早期の神経ブロックによる治療がお勧めです。もし神経痛の後遺症が残ってしまっても、神経ブロックや抗うつ薬などの治療で軽減することがあります。